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武装神姫 491 名前:1/5:2009/09/02(水) 10 58 01 ID V4ZLqb3o0 光成「地上最強の神姫を見たいかーーーーッ」 観客「オーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 光成「ワシもじゃ ワシもじゃみんな!!」 光成「神姫入場!!!」 アナウンサー「全武装神姫入場です!!!!」 全武装神姫入場!! 3.3mm軸は生きていた!! 更なる研究を重ねフィギュアが甦った!!! 記念すべき第1弾!! ストラーフだァ――――!!! 総合格闘技はすでに我々が完成している!! 第2弾マオチャオだァ――――!!! 組み付きしだい投げまくってやる!! Exウェポンセット代表 グラップラップだァッ!!! 素手の殴り合いなら我々の火力がものを言う!! 戦車の一撃 インファイター ムルメルティア!!! 真の護身を知らしめたい!! プチマスィーンズ装備 ハウリンだァ!!! 命中率は3階級制覇だが総火力なら全種目オレのものだ!! ロシアのスナイパー ゼルノグラードだ!!! 暗闇対策は完璧だ!! 兎型MMS ヴァッフェバニー!!!! 全神姫のベスト・売れ残りは私の中にある!! 赤壁の神様が来たッ 紅もr…じゃなくて紅緒!!! 遠距離なら絶対に敗けん!! 軍隊のケンカ見せたる 狙撃隊長 フォートブラッグだ!!! バトル・モード(収穫の季節)ならこいつが怖い!! okama氏のピュア・ファイター ジュビジーだ!!! 第6弾から炎の寅が上陸だ!! 接近戦特化 ティグリース!!! 防御の無い戦闘がしたいからライトアーマー(軽装)になったのだ!! プロの一撃を見せてやる!!ヴァローナ!!! めい土の土産に満面の笑顔とはよく言ったもの!! 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! シスター型MMS ハーモニーグレイス先生だ―――!!! 世界ヘヴィ級トライクこそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの娘がきてくれるとはッッ イーダ!! 飛びたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! 和風の戦闘機(巫女)型MMS 飛鳥だ!!! オレたちは昆虫最強ではない全神姫最強なのだ!! 御存知カブト型 ランサメント!!! 組み換えの本場は今や第9弾にある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! エスパディア!!! 胸がデカァァァァァいッ説明不要!! 褐色肌!!! 間垣亮太制作!!! グラフィオスだ!!! トライクは実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦車両!! CHOCO氏の下からアークの登場だ!!! 可愛さはオレのもの 邪魔するやつは思いきり撃ち思いきり血を吸うだけ!! 武装・神姫吸血王者 ウェスペリオー 持ち歌を試しにコナミへきたッ!! のど自慢全神姫チャンプ シュメッターリング!!! 隠密に更なる磨きをかけ ”第5弾”ヴァッフェドルフィンが帰ってきたァ!!! 今の自分に死角はないッッ!! 花型・神姫ジルダリア!! 西洋二千年の剣技が今ベールを脱ぐ!! 第3弾から サイフォスだ!!! ご主人様の前でなら私達はいつでも全盛期だ!! 新しい素体 パーティオ&ポモック セットで登場だ!!! 自慢の装甲はどーしたッ 胸アーマー 未だ平らッ!! 慰めるも撫でるも思いのまま!! エウクランテだ!!! 特に理由はないッ 釘宮が強いのは当たりまえ!! 患者にはないしょだ!!! 日の下開山! ツガルがきてくれたゾ―――!!! 医療現場で磨いた実戦応急処置!! 眼鏡っ娘のデンジャラス・ナース ブライトフェザーだ!!! 母性だったらこの人を外せない!! 超A級包容力 イーアネイラだ!!! 超一流神姫の超一流のおっぱいだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 清水栄一と下口智裕のコラボ!! ウィトゥルース!!! 量産体性はこの娘が完成させた!! 島田フミカネの切り札!! ウェルクストラだ!!! 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 天使型あーんばるがいいと思うのッッッアーンヴァルの登場だ――――――――ッ 加えてコレクター発生に備え超豪華な通販限定神姫を4名御用意致しました! 忍者 フブキ!! 「ハヤテのごとく!」 三千院ナギ!! バトロン元ラスボス!ミズキ! ……ッッ どーやらもう一名は開発が遅れている様ですが、情報が載り次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス 501 名前:水先案名無い人:2009/09/03(木) 01 04 15 ID IP3Z5VuG0 491-495 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 天使型あーんばるがいいと思うのッッッアーンヴァルの登場だ――――――――ッ アスミスファンの俺歓喜wwwww コメント ストラーフが最初で、アーンヴァルが最後とかよくわかっていらっしゃる - 名無しさん 2015-01-12 14 47 37 名前
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戦うことを忘れた武装神姫 その26 ・・・その25の続き・・・ 再び、久遠のグラスの氷がカランと鳴った。 「・・・すまないね、『ゼリス』のことを答えるはずが僕の昔話で終わってしまったようだ・・・。」 「いえ・・・それで十分です。」 すっかり氷も解け、なかば水割りになろうとしているグラスを久遠はすっと飲み干した。 ヒトと対等に意思疎通ができる、ちっちゃいけれど頼もしい存在。 「死」すらも、恐れることなく正面から向きあえる程の強い存在。 ヒトに愛され、ヒトを愛することができる、優しく、温かな存在。 - ヒトは何故、「心」を持つこの「存在」を造り出したのか - うつむいたまま、ドツボにはまったかの如く黙り込んでしまった久遠。と、彼の目の前に新しいグラスが差し出された。 「・・・。」 はっとした久遠、見ればグラスを差し出したのは・・・心配そうなまなざしで、じっと久遠を見つめるエルガだった。 「にゃーさんの考えてること、にゃーにも、少しだけど判るよ?」 「・・・そうか?」 「にゃーたちが『戦わなくていいの?』て聞いたとき、にゃーさん、『戦うだけがすべてじゃないんだよ』って言ってくれたの、覚えてるよ? だから、にゃーたちも時々、なんで神姫なのか考えるの。。。 でもね、答えは急ぐことじゃにゃいのだ。 一緒に考えてあげるから、にゃーさんもゆっくり、のんびり考えるの。」 エルガは普段の勢いとはまるで違う、実に穏やかな、落ち着いた声で久遠に語りかけた。 「だけど・・・だけどね? にゃーたちは、にゃーさんよりもずーっと早く壊れちゃうと思うの。だから、にゃーさんが答えを出したときに・・・」 大きなエルガの瞳に、うっすらと涙が浮かんだ。 「にゃーたちは居ないかもしれないよ? だけど、にゃーたちのこと、ずーっと忘れいよね? ね、にゃーさん・・・?」 エルガの頭に、何かがぽたりと落ちた。 「馬鹿っ。。。 無責任なこと言うなっ・・・!」 久遠の涙・・・。 「おまえらが『ここに居ること』が俺には大切なんだよ。。。 それに、一緒に、ゆっくり考えようって言ったな? 言った以上、一緒に答えを探す義務があるっ! 答えが見つかるその日まで、何が何でも俺のそばに・・・傍に・・・っ!」 「わかったのだ。。。にゃー、約束する。ずっと居るの!」 「よしっ、それでこそ俺の猫爪『エルガ』だ。。。」 久遠はグラスをそっと傾けてエルガに一口飲ませた。 「ありがとなの・・・。」 涙でぐしゃぐしゃのまま、グラスをはさんで静かに見詰め合う二人・・・。 その様子を静かに見ていたマスターは、久遠に、そしてエルガにももう一杯グラスを差し出した。 「僕の昔話が、君たちにとって少しでも役に立ってくれれば幸いだよ。今日は・・・僕のおごりにしよう。 好きなだけやってくれ。」 「にゃーん!! マスターさん、ありがとなの!」 「ちょ、エルガっ、すこしは遠慮しないか!それが大人のマナーだっつーの。」 「えー? にゃーは大人じゃないよー?」 「・・・ったく、お前ってヤツは・・・。」 と、グラスを片手にエルガの頭をぐりぐりする久遠の顔は、実に穏やかであった。。。 ・ ・ ・ 終バスの時間が近づき、帰ろうと久遠が支度を始めたときだった。 何かを思い出したように、マスターはCDを入れ替えた。 「君たちは、角子さんと呼ばれるクラリネットタイプの声を持つストラーフの噂を聞いたことはないかな。」 CDが再生される・・・ 「知り合いに無理を言って録音してきてもらったんだ。」 スピーカーから奏でられるは、生録の女性の歌声。 決して音質がよいとはいえない・・・が、久遠と、なによりエルガが反応を示した。 「マスターさんっ! こ、この声・・・っ!」 「何かを感じる・・・そうだろ?」 大きく頷くエルガ。 傍らの久遠も、その歌声に聞き入ってしまい、動く事を止めていた。 「マスター、もしかして・・・。」 久遠が何かを言おうとしたが、マスターは遮るように語った。 「あまり教えてくれるな、とは言われてはいるんだけれど。」 メモ用紙を取り出すと、住所を書き始めた。 「君たちなら、おそらく彼女たちも迎え入れてくれるだろう。場所を教えてあげるから、今度の休みにでも会いに行ってきなさい。 求めている答えのきっかけくらいはつかめるはずだから・・・。」 最後に『MOON』という、おそらく店の名であろう文字を記し、エルガをポケットに入れた久遠に手渡した。 「マスター、今日はありがとうございました。」 「ほんとうに、とってもありがとなの! おやすみなの、マスターさん!」 「僕のほうこそ、長々と昔話に付き合わせてしまって。お礼を言わせてもらうよ。ありがとう。・・・では、おやすみなさい。」 久遠とエルガが帰った店の中には、神姫の歌う『コーヒー・カンタータ』が流れていた。ひとり、カウンターに座りしばし聞き入るマスター。やがてCDの演奏が終わると、酒瓶の後ろに大事にしまっている小箱を取り 出し、カウンターに置いた。箱に記された文字- -type91- 量産試作型 - 「今ここにいることが大切、か・・・。 久遠さんもずいぶんと言うようになったもんだ・・・。」 呟きながら一度もあけたことが無い箱を開けた。 - 白いボディに、ストラーフの顔を持つ神姫 - ふっと小さく息をつくと、マスターは陰に置かれた古びた一枚の写真に語りかけた。 「そろそろ、僕も神姫のオーナーとなってもいいだろうか? ・・・なぁ、『ゼリス』-。」 最終バスの車内。なんとか間に合った久遠とエルガは、いちばん後ろの席で今日のマスターの話を思い返していた。と、窓の外を見ながら久遠が呟いた。 「明日の午前中に行くぞ。」 「にゃ? どこ?」 「なんつったっけ・・・そうそう、『MOON』だ。」 「みんなで行かないの?」 「リゼとイオは・・・どうする? あいつら連れて行ったら、何らかの騒ぎを起こしかねないから・・・。」 「うにゃはぁ、にゃーさん、言うのだー。 でも、みんなで行こうよー。でないと、行く意味がない気がするよ?」 「はは、そうだね。 これも何かの運命だろう。 この機を逃さず、一気に行ってしまおうか。 さっそく帰ったら連絡を入れて、と。 そうすると、まずは川崎製麺寄ってシンメイ拾って、東杜田いってイオとリゼ拾ってから『MOON』に向かおう。」 「さんせーい!」 「どうせアレで走るんだ、都合2時間もあれば着くっしょ。」 「りょーかいなのー!」 明日への期待に胸を膨らませた二人を乗せて、バスは静寂の夜の街を走る- 。 マスターと共に、今を楽しみ、明日へ向かう神姫がいる。 ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 <その25 へ戻る< <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その24 最近、正式に「ムサコ神姫センター」との名称になった、M町のセンターの 3階にある大型筐体・CMU-381-M2。 いわゆる草リーグではあるが、中では2vs2の激しい戦闘が繰り広げられて いた。真夏のような草原フィールド、宙を飛び回るダブルツガルに対するは、 ストラーフと猫爪の組み合わせ・・・そう、かえでの神姫。。。 手が加えられ、より軽量となっている装備を活かし、速度で勝負を仕掛けて くるダブルツガル。 対するは、戦略のティナと経験のフィーナ・・・。 開始時は圧倒的な速度に押されていたかえでの2人だったが、やがてティナ が相手の弱点 -装甲の薄さ- に気づき、情報を受けたフィーナはアームの指 先を外して待機。ティナが囮になっている間に、フィーナは草原フィールド の起伏により死角になる位置へと移動した。 「-Tへ。セット完了。」 「-Pへ。-T、了解。あと7.5sで到達。」 「-P、了解。」 短いやりとりをすると、ティナは四脚にてフィーナの潜む窪地へと一直線に 駆け出した。 後を追うは、HEMLを両の手に構えたツガル2体。 脚力には定評のある猫爪ではあるが、空間を一直線に移動できるツガルの方 が、当然速く移動できる。 間合いが詰まる。 2体のツガルは、照準をティナの背中に合わせた・・・ その瞬間。 窪地から、ツガルたちの目前に10個の小さな黒い物体が放り出された。特殊 鋼材でできた、フィーナが自らのアームから取り外したアームの指だ・・・。 速度を求めるがあまり、装甲を減らし過ぎたツガル2体は、自慢の速度が仇 となり、突如出現した固い物体を避けることが出来ず、全身に思い切りブチ 当ててしまった。 「衝撃は速度の二乗に比例しますから、それに見合った性能の対衝撃装甲を するべきにゃのです。」 見事撃墜され、目前に落ちてきたツガルの2人に、静かに語りかけるティナ。 「チームワークも、速さも照準も申し分がありません。ですが、装備に関し ては、今一度考えた方が良いでしょう。」 フィーナはちらばる指を拾い集め、元の通りにアームへ組み付ける。 「それだけの能力、装備で殺してしまうなんて・・・」 「もったいにゃいですよ?」 2人の余裕の様子に、白旗を揚げるツガルコンビ。 「勝者、ティナ・フィーナチーム!!」 ジャッジマシンが勝利を告げた。 土曜の午後、けっこうな人の入りの中、 わき上がる拍手。ダブルツガルのオーナーと握手を交わし、互いの神姫たち の健闘をたたえるかえで。 2人の周りには、顔見知りとなった仲間たちが 集い、話に花を咲かせる・・・。 ・・・今やすっかり川崎家の一員としての生活にも慣れたフィーナ。 普段は、かえでのちっちゃいお目付メイドとして、ティナと共に、いわゆる うっかりさんのかえでを冷や汗混じりでフォローする毎日。 だが週末には、 自らの存在を確認する意味でも、一戦は必ずこなしているとか。 一方のティナはといえば、フィーナに稽古を付けてもらい、また自ら研究を 重ねたことで、猫爪にしては大変に珍しい「頭脳格闘派」として名を馳せて いた。 とはえい、基本は猫爪、ネコネコしい事に変わりはないのだが。 一時期、引きこもりがちになったかえでに、そっと父親が渡したもの、それ が猫爪型武装神姫。。。 所詮は大人向けのおもちゃ、そんな気持ちで起動させた。 静かに起動する ちっちゃい仔猫。 好きだった絵本の主人公の名をとり、ティナと名付け、 傍らにポンと置いた、それだけの存在だったはずなのに。 戦う格好をした 人形、ただそれだけだったはずなのに。 いつの間にか、自分の生活に溶け込んで、 いつの間にか、当たり前の存在になり、 いつの間にか、無くてはならない存在になっていた。 この子がいるから、頑張ってみようと思う。 この子が応援するから、あと 一歩を踏み出そうと思う・・・ 気が付けば、だれとでも話せるように なった自分が- 。 そんなときに起きたあの事件。 かえで自身にとっても、大きな転機となった。 ちっちゃいけど、精一杯がんばる神姫の姿。 それは、ヒトが作りし、ちっちゃい心。。。 「かえでちゃん、どうしたの?」 「あ、ごめ〜ん。ちょっと考え事していて。」 神姫仲間の一人に声をかけられて、はっと我に返るかえで。 フィーナに 引っ張られるように始めた神姫バトル。 今では、ここに週一回来ることが 楽しみでならない・・・。 ここに来れば、同じ志を語り合える「仲間」が 待っているから- 。 「そうだ、かえでちゃん、推薦で大学決まったんでしょ?」 恥ずかしそうに、かえでは顔を赤らめる。 「えー? 何で知っているの?」 「この前フィーナちゃんが言ってたじゃない。 えーっと・・・」 「T工大。Dr.CTaさんみたいになれればいいな、って思って。」 私に道を開いてくれた、ちっちゃい存在。 自分にだって、造り出せるはず- 。 「へぇ、それはすごいねぇ。」 いつの間にか話に加わっていたムサコの店長が口を挟んだ。 「て、店長さんまで・・・。」 「お祝いってわけじゃないけど、これをあげよう。・・・使うかな?」 と、手渡された小袋。開けるとそこには神姫サイズのメイド服。ブランドは TODA-Design、しかも Battle Use ONLY とデカデカと書かれている。 「いいんですか? 頂いちゃって・・・」 「どうぞー。 先週だったっけ、君たちと話をした、CTaさんじゃないコス プレのねーちゃんがいたろ、ハウリン連れた。あの人が戸田さん本人だった んだよ。 で、戦うメイドって言葉が似合うから- 、って作ったんだとさ。」 「はぁ・・・嬉しいのですが、ティナはともかく、フィーナがどう言うか。」 「私がどうかしましたか?」 ツガルたちとの話が一段落したのか、ひょっと顔を出すフィーナ。 「こういうの、着る?」 かえでが広げた服に、一瞬目を丸くするフィーナ。 「イヤです、といっても、マスターもしくはティナに無理矢理着せられるの がオチでしょう。。。」 「・・・イヤなの?」 が、フィーナはすぐにいつもの笑顔に戻った。 「ふふ、ウ・ソ・です。 こういうの、私好きなんですよ。」 まだツガルたちと話をしていたティナを呼び、2人で袋にはいるとごそごそ と着替えを済ませ、出てきたときには・・・ マシンガンが似合いそうな姿 のメイド神姫になっていた。と、横から仲間の一人が言った。 「やっぱ、二つ名は『戦うメイドさんズ』でいいんじゃないですか?」 ふたたびわき上がる拍手。 対戦相手のマスターも、ダブルツガルも拍手を している。その暖かな輪の中で、嬉しそうにクルクル舞うティナとフィーナ。 「どうです? マスター。 似合いますか?」 「かえでちゃん、見てみて! ここに隠し武器があるの!」 その姿に、かえでは心の底からうれしさがこみ上げてきていた。 気が付けば、いつも仲間がいる。 もう、寂しくなんかない。 だから、決めたんだ。 いつの日か、仲間をつないでくれた、 小さな存在を、自分が神姫を作るんだ、と-。 <その23 へ戻る< >その25 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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{武装神姫についてと俺について} あの事件(俺の後頭部が机に炸裂)から一週間が経った。 アンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカは色々な事をはじめた。 アンジェラスとパルカは料理や掃除がやりたいと言い、俺は武装神姫用の包丁や掃除機とかを作り渡した。 クリナーレは何か運動するものが欲しいと言い、俺は武装神姫用のダンベルとか作り渡した。 ルーナはパソコンがやりたいと言い、俺のパソコンを貸した。 まぁ、人それぞれに趣味があるのは当然な事。 だから俺は、こいつ等が何が欲しいとか何が必要とか言われれば作ったり準備してやった。 とても良い事だと思う。 だが、やる分には構わないが余計な事はしないで欲しかった。 アンジェラスとパルカは料理にしろ掃除にしろ全然使い方が酷かったために台所は地獄と化し滅茶苦茶になるし、クリナーレはダンベルをグルグルと回し俺が『危ないぞ』と言った瞬間にクリナーレがダンベルを持った手がすっぽ抜け俺の顔に命中するし、ルーナは俺のパソコンに入ってる秘蔵のコレクション(主にエロゲーとか…)をやろうとするし。 もう酷いの一言しか出ない。 そんな感じに生活してい訳だ。 俺はというと武装神姫について調べていた。 武装神姫とはなんぞや。 まぁ、この一週間で大抵解った。 自分の武装神姫を他の神姫と戦わせたりトレーニングをやらせて育てる。 ゲーム風で言えば育成シュミレーション。 悪く言えば娯楽のための人形遊びだ。 しかもこの武装神姫は結構奥が深く、色々とヤバイ噂もある。 表の世界は武装神姫を普通に育てる。 なら裏の世界はどうなのだろうか。 実は裏の世界は現実的に酷いものばかりだった。 市販されてる武器を改造したりオリジナルの武器を作って、その武器を使って神姫達に闘わせ、どちらかが破壊されるまでやらせるデスマッチ。 軍事利用で暗殺型用とかスパイ型用に武装神姫を作ったり。 人間で言うドーピング…神姫用のドーピングを使って身体的と能力的に強くさせたり。 後はそうだな…愛玩用にする。 簡単に言えばダッチワイフだな。 そりゃあ人間の女の形をしてるんだもん。 作りたい気持ちは解るが、俺にとっちゃそんなのただの外道としか認識できない。 そんなにやりたければ性風俗店に行けばいいのに。 とまぁ、一応代表的なものを上げた。 そんな奴等を俺はアンダーグランドの住人と思っている。 表があれば裏がある。 世の中よく出来てるぜ。 けど、俺はどちらかと言うとアンダーグランドの方の人間だな。 勿論、アンジェラス達にそんな下らない世界の武装神姫には絶対させない。 こいつらを預かってる姉貴にも迷惑がかかるしな。 まず第一に俺のプライドが許せない。 「ねぇねぇ、アニキー」 そう無垢なる彼女達を守らなければ。 「アニキってばー」 俺はそう心に誓ったのだ。 「シカトするなー!」 ギューーーー! 「イッテー!?」 クリナーレが俺の髪の毛を引っ張る。 結構、痛いです。 「ボクの事をシカトするなよ!」 「…イテテテ。あぁ~悪かったな。で、何か用か?」 引っ張られた髪の毛を摩りながらクリナーレの用を聞いた。 するとクリナーレは一丁の銃を取り出した。 その銃は名は『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』という武装神姫用銃である。 神姫ショップで一般的に売ってる銃。 だが、クリナーレが持っている『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』はちょっと違う。 何故なら…俺が見よう物真似で作った銃なのだから。 「ゲッ!?クリナーレ、その銃を何処で見つけた」 「え~と、隣の部屋の机に大事そうに飾られてたから、そこからちょっと借りただけだよ」 「まだ使ってないだろうな!」 「う、うん。もしかして怒った?」 クリナーレは申し訳なさそうな顔をした。 「いや、怒ってはいないよ。他の皆はその武器や他の武器の事知ってるのか?」 「今の所、ボクだけだと思う」 「そうか。よかったぁー」 「よかった?」 「あ、こっちの事だ。ちょっと皆に話す事が出来たな。クリナーレ、皆を呼んで来てくれ。それと銃は没収だ」 「えー、今はこの銃でトレーニングしたいのにー」 「話が終わったら嫌になる程使わせてやる。だから皆を呼べ」 「約束だよー」 不満そうにクリナーレは俺の左手の手のひらに乗り、俺は地面に左手を置くとクリナーレはアンジェラス達を呼びに行った。 もう見つかってしまったらしい。 あの銃には色々とやっかい事があるというのに。 いや、あの銃に限らず他の武器も色々とヤバイ。 これで今まで黙ってきた事がバレる。 でもまぁ、何時かバレる日はくる。 なら日が浅いうちに言っとくべきかもしれない。 「みんなを呼んで来たよー」 クリナーレが戻って来てその後ろにはアンジェラス、ルーナ、パルカの順に来てくれた。 「何か御用ですか?」 「遊んでくれるの?」 「まさか、私達をリセットするんじゃ…」 「まぁ用事といえば用事かな。それとパルカ。リセットなんかする訳ねーだろうが」 ホッとするパルカ。 まったく、何処まで怯えてるんだ? そんなに俺が怖いのか? もしそうならちょっとショックだな。 て、今はそれよりも。 「それじゃみんな。俺の肩に二人ずつ左右に乗っかってくれ。地下に案内するからさぁ」 「へぇー、地下なんかあったんだこの家。ボク知らなかったなぁ」 「地下でエロい事するつもりですね」 「んな訳ねーよ。それともルーナだけ放置プレイしてやろうか?」 「放置は嫌ですぅ~」 ルーナはルーナで何だかエロ方面の方向に話そうとするし。 ちょっと、ムラムラとくる言葉に誘惑される俺だが理性が強い俺はそう簡単に落ちないぜ。 俺は中腰をして机と同じぐらいに肩の高さ合わせる。 トコトコ、と俺の方に移動するアンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカ。 右肩にクリナーレ、パルカ。 左肩にアンジェラス、ルーナ。 みんなが肩に移動し終わると俺は地下に向かった。 …。 ……。 ………。 「ここがそうだ」 パチ、と電気を入れ部屋が明るくなる。 とても大きな部屋で壁は無機質なコンクリートで覆われ、机が二つと色々な道具が置かれている。 なんとも味気の無い部屋。 肩に乗せてるアンジェラス達を机に下ろし、クリナーレだけ右手の手のひらに乗っける。 アンジェラス達は『なんでクリナーレだけ』と不思議そうに思った。 俺はすぐその場に厚さ10ミリのドアぐらいの大きさの鉄板が置かれてる場所まで行き。 「こいつを撃つんだ」 クリナーレに命令した。 命令した後、鉄板から7,8メートル離れてから先程クリナーレから取り上げた『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』を渡す。 クリナーレは俺から渡された銃を構える。 とても綺麗な構え方だ。 やはりそのようにプログラムされているのだろうか? いやいや、その考えは止めとこう。 俺は彼女達を人間同様に扱うと決めたばかりじゃねーか! 左手をクリナーレの背中に触れるギリギリでとめとく。 この行為が無駄になれば嬉しいのだが…。 「せい!」 バキューン! 「うわぁ!?」 「クゥッ!」 撃った衝撃でクリナーレが後ろに吹き飛ばされて、俺が予め用意していた左手でクリナーレを掴み助け、すぐさま右手でクリナーレ覆う。 だが助けた俺の身体はクリナーレが撃った衝撃を全て受けたためバランスを崩し尻餅をついてから倒れた。 「ご主人様!?」 「ダーリン!?」 「お兄ちゃん!?」 机の上で叫び心配する三人。 「安心しろ、大丈夫だ」 俺は上半身だけ起こし、閉じた両手を開いてみる。 どうやらクリナーレは無事みたいだ。 けど自分を両手で抱くように縮こまって小刻みに身体を震わせている。 いったいどうしんだ? 「クリナーレ、大丈夫か?」 「…あ、あっ…アニ…キ…」 涙目になっているクリナーレ。 どうやら銃を撃った反動で恐怖を感じたみたいだ。 無理もない。 市販で売ってる銃はあんな反動は無いからなぁ。 やっぱり撃たせるんじゃなかった。 クリナーレを怖らがせてしまったのだから。 「大丈夫。もう大丈夫だ」 「アニキ…ボクは…」 「何も言うな、怖かったんだろう。なら今は甘えていいんだ」 「アニキー!」 クリナーレが俺の胸元の服を両手で掴んで泣く。 「怖らがせてゴメンな」 俺は謝る事しか出来ない。 所詮その程度の人間。 「ご主人様、大丈夫ですか?」 「ホッ。案外大丈夫そうね。心配したんだからねー」 「よかったですー!姉さんもお兄ちゃんも無事で!!」 「お前等…」 アンジェラス、ルーナ、パルカが俺の左太もも辺りで心配そうにしていた。 あの高い机からどうやって飛び降りたのだろう。 まぁ今はいいや。 こいつ等も安心させないとな。 「俺は大丈夫。ただクリナーレが怯えちゃったかな。ワリィ事しちまったぜ」 「いえ、ご主人様は悪くないですよ」 アンジェラスが俺を慰めてくれる。 何故、こいつは俺の事をここまで気にかけてくれるのだろうか? まるでアンジェラスだけが特別な神姫みたいに感じる。 「サンキューなアンジェラス。みんな、あれを見てくれ」 顔で合図をし、鉄板が置かれてる場所を見てもらう。 アンジェラス、ルーナ、パルカは鉄板が置かれた場所を見る。 「そ、そんな…」 「…うわ~」 「…酷い」 三人はそれぞれ別の驚愕を示した。 三人が見た物は、鉄板が二つに別れ真ん中の部分は粉々に吹き飛んでいた光景だ。 たった一発の弾丸で頑丈な鉄板が半壊の粉々。 とんでもない威力だ。 「あの銃は俺が作ったんだ」 「そんな!だって、あれはどうみても」 「市販されてる『モデルPHCハンドガン・ヴズルイフ』の銃って言いたいんだろ、アンジェラス」 「そ、そうですけど」 「あの銃は見ようもの真似で作った物だ。…姉貴が武装神姫関係の会社で働いてるのを知っているよな」 無言で頷くアンジェラス。 目は真剣そのものだ。 「俺は何か物を作るのが好きなんだ。まぁ趣味みたいなものだな。それで姉貴の会社に行き、武装神姫関係の武装や装備のデータをパクッて、それをベースにして俺が作ったオリジナルの武器が出来上がる訳よ」 「ご主人様…もしかしてご主人様は…」 「そう、俺は違法な武器を作っちまった。他にも色々と悪い事を沢山やってきた…犯罪者という訳になるかな」 アンジェラス、ルーナ、パルカは沈黙した。 まさか自分のオーナーが武装神姫の違反者だとは思わなかったのだから。 しばし無機質な部屋の沈黙が訪れた。 だがその沈黙はすぐに消えた。 「そんなの…関係ないよ」 声の主はクリナーレだった。 泣いたせいか目が充血していた。 「アニキは酷い奴じゃないよ!実際こうしてボクの事を守ってくれたあげく、心配までしてくれるんだから!!」 「クリナーレ、お前…」 「アニキ!ボク達は例えアニキが悪い事をしていても大丈夫!!ねぇみんな!!!」 必死で俺を庇うクリナーレ。 嬉しかった。 ここまで他人のために言ってくれる奴は簡単にいない。 「クリナーレ、大丈夫よ。私達が、ご主人様を軽蔑するわけないじゃない」 「そうよ。この一週間一緒に暮らしたけど、とても悪人面に見えないしダーリンはとても恥ずかしやがりさんなんだから」 「姉さん、私はお兄ちゃんに色々な事を教えてもらいました。私に教える時のお兄ちゃんは笑顔で言ってくれます。そんなお兄ちゃんが悪人には見えません!」 今度はアンジェラス達が言ってくれた。 まったく、どうしてこいつ等はこうも馬鹿なんだろうか? 犯罪者が悪人に見えない。 馬鹿じゃん。 本当、お人よし過ぎる馬鹿者だ…こいつ等は。 嬉しくて涙がチョチョギレルわい。 「ほんと、お前等ていうやつは…」 こいつ等といると俺の心はなんだかとても軽くなる。 今までやってきたった行いは殆ど悪い事が多い。 それも生きる為という肩書きという理由で…。 まぁ色々悪行三昧してきた訳よ。 なら今から俺がやってきた罪はどうやって償うべきか…。 罪は後で考えるか、今はこいつ等のめんどうみる事が最優先だ。 「よし!気を取り直すついでに飯でも喰うかぁー!!」 ガバッとアンジェラス達を両手で掬い上げ俺の胸に抱き寄せる。 少し恥ずかしいけど俺はアンジェラス達にニコヤカに笑って見せた。 「ご主人様!」 「アニキ!」 「ダーリン!」 「お兄ちゃん!」 「今日は俺の手作りの飯だ。心して喰えよ!」 「やったー、アニキの手作りの料理美味いだよなー」 「嬉しいです、ご主人様」 「あらあら、生活費がヤバイのにそんな大盤振る舞いしていいんですか?」 「ルーナさん、お兄ちゃんの事ですから大丈夫ですよ」 ワキャワキャっと喋りにながら一階に向かう。 これからはこの大切で大事なひと時を俺は守っていこうと思った。 今日の出来事で今までの俺にさようならし、俺は新しくなった。 さぁー、俺の新たな生活の始まりだ!
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せつなの武装神姫 主な登場人物 ――人物―― 藤原 雪那(ふじわら せつな) 「僕とティキ」の主人公『僕』にして「雪那とティキと」の主人公その一。 進学校(一応)に通う高校二年の眼鏡学生。 ティキとユーラのオーナー。 根本はオタク気質なのだが、その手の知識を多く持ち合わせていない。理由は祖父、亡父が極度のオタク体質なため、そんな大人になりたくないと自己を抑えていた為。今はそんな自己抑圧から解放されている。 そのくせに西洋剣の事に妙に詳しかったりと謎も多い。 神姫オーナーである事は学校では秘密。だったがバレた。 一年の学年末のゴタゴタで部活はやめたらしい。 式部 敦詞(しきぶ あつし) 雪那と同じ学校に通う、弓道部所属の高校二年生。二年になり雪那と同じクラスになった。 きらりのオーナー。 気遣いの出来るし、ルックスも悪くはない。というより格好良い。が性格はアレ。 ひた隠ししているが、自分がオタクである事には自覚的。だからこそ気が使える人。 未だ神姫オーナーである事は学校では知られていない。 ちなみに雪那が読んでいる「妖精騎士」シリーズはこいつが貸し出した。 司馬 仙太郎(しば せんたろう) 大学生。式部の友人。 ナイアのオーナー。 リーグ戦もこなすが、熱中しているのはジオラマを使ったゲーム。 とある二流大学でボードゲーム愛好会の会長を務めていたが神姫にハマり、愛好会は神姫愛好会の相を挺しているとかいないとか。 ちなみにボードゲーム愛好会は同学内のミリタリー研究会とは犬猿の仲である。 結城 セツナ(ゆうき ――) 「Y.E.N.N」主人公にして「雪那とティキと」の主人公その二。 某私立女子高に通う高校三年生。眼鏡の美しい少女。 焔と朔のオーナー。 前に所有していた神姫「海神」をとある事件で失う。 その事件をきっかけに神姫との関係を新たに模索し始め、現在に至る。神姫との関係は良好の様子。 感情を表情から窺い知る事が難しいとは雪那の弁だが、割と感情の動きは激しい。 式部、司馬とは旧知らしいが、詳細不明。 過去に木井津沙紘と交際していたらしい。 藤原 修芳(ふじわら あつよし) 藤原雪那の父。 数ヶ月前の雨の日に交通事故に巻き込まれ死亡。 ティキの初代オーナー。ティキに「旦那さん」とオーナー呼称登録した。 藤原 舞華(ふじわら まいか) 藤原雪那の母。 在宅の仕事をしている、とティキは言っている。 自宅を兼ねた店舗を開いている。 店の名は「妖精館」。ドールハウス用の小物をメインに取り扱う店でありながら喫茶店も兼ねるというおかしな店である。 葉月 総(はづき そう) 藤原雪那の祖父。 小説家、桜田柄今(さくらだ つかいま)。 四体の神姫を保有している。 木井津 沙紘(きいつ さひろ) 結城セツナのモトカレ。現在大学生。 シンナバーのオーナー。 多分性格はよろしくない。 朔良=イゴール(さくら・―) 結城セツナのクラスメートにて数少ない友人の一人。 「なつのとびら」の主人公。 ハーフの少女。赤毛の碧眼。そばかすが気になるお年頃。 桜田柄今の大ファン。 武装神姫を所有していない。 左右葉 夢絃(そうば・むげん) 朔良=イゴールが南房総にある町でであった青年。二十歳前後。 刹奈曰く「顔ばっかりで愛嬌も無いヘタレな人」。 故人。 ここまで無理繰りな名前だといっそ清々しいよね。 露草 流音(つゆくさ・るね) 左右葉夢絃の双子の妹。 刹奈のオーナーで、夢絃に刹奈を預けた。 朔良曰く「同い年くらいに見える」 夢絃と姓が違うのは両親が離婚したとき別々に引き取られたため。 ――神姫―― ティキ 藤原雪那の神姫。 TYPE猫爪。元々は雪那の亡父の神姫だった。 雪那の亡父の事を「旦那さん」、雪那の事を「マスタ」と呼ぶ。ちなみに「マスタ」とは「マスター」と言われるのが恥ずかしかった雪那が苦肉の策で決めたもの。 この娘のチョット偏った知識は「旦那さん」の影響。 戦闘スタイルは万能型(つまり中途半端)。特殊装備、『M.D.U.シルヴェストル』を装備して戦う。 現在セカンドランカー ユーラ 藤原雪那の二体目の神姫。 リペイント版の黒いアーンヴァル。 雪那の事を「主(ぬし)さん」と呼ぶ。「主さん」とは雪那の家に遊びに来ていた式部敦詞が決めた呼称。本当は「ご主人様」という案だったが、雪那が却下した。 語尾を繰り返す癖があり、慣れていないと聞いていて鬱陶しい。 現在バトル未経験。 きらり 式部敦詞の神姫。 式部を「マスター」と呼ぶ。 先行特別限定発売されたツガルで、素体も付いて来た。それが特別発売のゆえん。 装備はそのままツガルの標準装備風の物を使用。但しそのままなのは外見だけ。 戦闘スタイルは遠距離射撃型。ツガル特有の高機動力を活かす戦闘スタイルを模索中。 セカンドランカーにランクアップできました。 ナイア 司馬仙太郎の神姫。 アーンヴァルの素体にストラーフのコアをつけた神姫。仙太郎曰く、「オレは青い髪に白いボディースーツの組み合わせに弱いんだよ」だそうである。 名前の由来は「這い寄る混沌」から。 基本装備はサイフォスの物をそのまま流用。 某所のヴァッフェバニーが大鑑巨砲主義なら、こちらは近接戦闘絶対主義。目指すは一騎当千でなんたら無双。 それでも一応セカンドランカー。 海神(わだつみ) 結城セツナの神姫。 珍しい、忍者型フブキの神姫。表情の変化には乏しいが、それだからといって感情の起伏に乏しいわけではない。 忍者刀・風花、大手裏剣・白詰草、黒き翼にヴァッフェバニーの装備の一部で武装している。 とある事件に巻き込まれ破壊された。 海神ⅡY.E.N.N(わだつみ・せかんど・わい・いー・えぬ・えぬ) 通称・焔(えん)。結城セツナの二体目の神姫。セツナを「ご主人」と呼ぶ。 ハウリンのヘッド、紅緒のボディー、そして『海神』のCSCで構成されている。 現在の基本装備は『緋紅』と名付けられた蘇芳之胴などを改造した鎧と背部ユニットと、斬姫刀“多々良・鉄”(ざんきとう・たたら“くろがね”)。 『緋紅』には大型銃器が備え付けられているが、あまりにエネルギーを使いすぎるため一試合につき一回しか使用できない(『緋紅』の特殊スキル扱い)。 セカンドランカー。 朔 結城セツナの三体目の神姫(保有数は二)。 白いストラーフ。 セツナを「せっちゃん」と呼ぶ。 結城セツナが朔良=イゴールから譲り受けた神姫。 現在バトル未経験。 シンナバー 木井津沙紘の神姫。 ヴァッフェバニー。ヴァッフェバニーの基本装備とテグスを用いて戦う。 雪那達のいる地域では実は結構有名。雪那が知らなかったのは彼がそういうことに疎いから。 現在セカンドランカー上位。 ヒワ 葉月総の神姫。 葉月を「先生」と呼ぶ。 和服姿のアーンヴァル。 アトリ 葉月総の神姫。 某ホテルの制服と同じデザインの制服を着ている。 ストラーフ。 刹奈 露草流音の神姫。 左右葉夢絃に預けられていた。 流音の事を「マスター」と呼び、夢絃の事をそのまま名前で「夢絃」と呼ぶ。 朔良が神姫の事に疎いので、TYPEもランクも不明。 可憐な仕草とそれに似つかわしくない口調が特徴。 戻る
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戦うことを忘れた武装神姫 その41 係長という肩書きにより、取引先からいただく事が出来た高級ビールが、いくら探しても見当たらない。昨晩まで、たしかにこのテーブルの上にあったのに。 諦めて、麦茶にしようと冷蔵庫へ向かったそのときだった。 がたん、どす! 中身の入った飲料缶が落ちる音がした。 振り返ると、そこには小さなロボットがビールの缶に半ば押しつぶされるかのごとく倒れている。 「・・・ディーニャ・・・ お前、何してたんだ?」 マオチャオ型をベースに東杜田技研で試作されたMMS、type T-TAK「ディーニャ」。 白色に緑色のペイントが施された素体、髪はロングのアップポニー。アタマには大型のはんぺんネコミミを装着し、手にはにくきゅうグローブを装着しつつも、目と口元にはマオチャオの面影が色濃く残る。 ビールの缶をのけて、まだ目を廻しているディーニャを摘み上げた。 「起きろっつーの。 狸寝入りしてるのバレバレだぞ。」 ふにふにとネコミミを突付くと、くすぐったさを我慢できなくなったのだろう、もぞもぞと動き始め・・・ 「にゃ、や、やめるのだ! やめろー!!!」 手の中でジタバタと暴れるディーニャ。 摘んだまま顔の高さまで持ち上げ目線を合わせると、バツが悪そうに目を泳がせるディーニャ。 「さて、今何をしていたのか。 正直に言いなさい。」 眼力で迫ると、ディーニャはネコミミをふにゃりと垂らし、 「にゃは・・・びーる、のみたかったのだ・・・」 相変わらずの酒好きめ・・・。 「だから、びーるかくしてたの。こかげのだいじ。 あきかんと、いっしょにするとわからにゃいの。」 本来は、旅のお供のサポート神姫としての研究開発が進められていたディーニャ。 しかし、マオチャオ型をベースとしてしまった上、我侭に育った小型ロボットのAIを用いてしまったが故に。 妙なところで知恵の廻る、いまひとつ使えない旅サポート神姫となってしまったのだ。 かといって、ある程度は成果をあげているこのプロジェクト、ひとまずはディーニャの育成を進めてみることに・・・なったのである。 そして。 プロジェクトに関わっていながらも神姫を持っていなかった俺が、当面の教育係となってしまった、というわけだ。 「にゃーさん、ごめんにゃさい。」 テーブルの上で、素直に謝るディーニャ。だがこいつの場合は「素直に謝ればビールが飲める」ことを期待しての行動に他ならない。 ポニーテールを揺らして謝る姿はかわいいが、ここは心を鬼にしなければならない。 「ふむ。だが、独り占めしようとしたことは罪である。よって、このビールは俺が飲み干す。」 泣き出すのではないかと思うほどに目を潤ませ、ビールの口を開けて飲もうとする俺を凝視するディーニャ。 耐えろ、耐えるんだ・・・っ! ディーニャの視線を痛いほどに感じつつも、俺はビールをぐびっとひとくち。すると、ディーニャはぴょんとテーブルから降りて。 「いいもーん! まだかくしてあるびーるはいっぱいあるんだからー!」 そういいながら、俺の散らかりきった部屋へと駆け込んでいった。 ・・・まだ・・・隠してある・・・?! 「ちょっと待て! お前いつの間に!!! どうりで最近、酒の減りが早いと思ったよ・・・! こらディーニャ!どこへ隠しているんだ!!」 「にゃはー! それはひみつにゃのだー!」 -今宵も、ディーニャとの追いかけっこは続く-。 <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その35 とある休日。 僕はツガルのマーヤと共に昼飯がてら近場の公園を散策していた。 穏やかな天気の午後とあって、公園内は家族連れも多い。 「そろそろ紅葉の季節だね・・・」 僕が言うと、 「・・・朝晩が涼しくなりましたから・・・。」 ポケットに収まるマーヤも木立を吹き抜ける風を感じていた。 ・・・と、突如子供の泣き声が側から響いてきた。・・・やべっ、転ばせたか?立ち止まって振り返る。 なんだ、別に転ばせたりしたわけでは無さそうだ。単に駄々をこねているだけかな。 「あの、おにいさま・・・あれ・・・っ!」 再び歩き出そうとしたとき、マーヤが僕を呼び止めた。 マーヤの視線の先には、ジュビジーが風船にくくりつけられフワフワと上昇しているではないか。 その下では子供が泣き叫び、おそらく母親と思しき女性がうろたえていた。 ・・・おいおい、何をしたんだあんたたちは。 幸いにも風船は紐が木の枝に引っかかったが、とても手が届きそうもない高さ。 母親が周囲の人に声をかけ助けを求めてはいるが、宙づりのジュビジーが半ばパニックとなり、早くしないと・・・ 「あっ!!」 様子を見ていた一人が声をあげた。 ジュビジーが暴れたことで風船の紐が枝から外れ、再び上昇を・・・こりゃいかん・・・!! 「おにいさま、私を投げて下さい!」 さっとフル装備を整えたマーヤがポケットから飛び出した。 「おう、了解だっ!」 マーヤが何を言いたいか、目を見ればわかる- 。身を丸めたフル装備のマーヤを手に乗せ、かつてリトルリーグ時代には地区準優勝まで導いた自慢の肩で- 「どっせぇいっ!!!」 風船めがけてマーヤを放った。 どこまでも抜けるような青い空を撃つ、赤い弾となったマーヤ 。 さっくり風船を撃ち抜き、すぐさま全身の装備を展開、エアブレーキと同時にバーニア全開で反転。悲鳴を上げて自由落下するジュビジーに追いつき・・・見事にキャッチ。 重量の割には高い出力のある装備を纏うツガル型であるマーヤは、軽々とジュビジーを抱きかかえて、かの子供の手の届く高さの枝へと降り立った。 「ふぅ・・・ミッションコンプリート、ですね。」 子供の手の中に飛び込むジュビジーを確認し、ほっと一息ついたマーヤがふわりと肩へと戻ってきた。 周囲から沸き上がる歓声と拍手。 「おつかれさん。」 「おにいさまこそ、ナイスで正確なスローでしたよ。」 ・・・聞けば、母親が目を離した隙に子供が風船にジュビジーを結びつけて、振り返ったときにはあの状況だったらしい。 「今度からは悪戯をしないようにね。神姫はおもちゃじゃないんだよ。」 まだ涙目の子供に、しゃがんで声をかける。 横では母親がまるで何かの、それこそおもちゃのように頭をヘコヘコ下げている。なにも、そこまでされる柄じゃないってば・・・ん? どうしたマーヤ? 「おにいさま大変です! あと・・・15分で、これから行くラーメン屋の替え玉無料サービスが終わってしまいます!!!」 差し出された小さな神姫サイズの懐中時計を見れば、時刻は間もなく14時。 「うおぉ! い、いかん! いそぐぞっ!!」 「はいっ!」 再びマーヤをポケットに収め、僕はラーメン屋を目指し秋の風を頬に感じながら、公園を駆けていった。 <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その12 ・・・その11の続き・・・ 「在庫じゃないんだからああぁあぁぁ!!!」 ひときわ大きく絶叫すると、イオはLC3とツガル装備のHEMLを取り出した。 さらには妙なコードを取り出すと、背中の翼に載る推進器と、LC3・HEMLを接続。右手にはLC3、左手にはHEML・・・それぞれを片手で軽々と扱うその姿は、もはや武装神姫ではなく、武装鬼神・・・!!! 「な、ななな・・・そんなこけおどしが通用すると思っているのか!」 大型の射出型パイルバンカーを取り出し、すぐさま一発打ち出すディサ。だが、撃ち出されたされたパイルは、イオまで到達することはなく「消滅」した。 先端が真っ赤になっているLC3・・・そう、推進器のエネルギーの大半を、両手に持つ得物へそそぎ込み、機材の限界をはるかに越える弾を撃ちだしているのだ。そして、エネルギーの強さのみならず、速射の能力も-。 「オラオラオラ!!! ちょこまか逃げるんじゃねぇ!!!」 左右の得物が、あり得ないレベルの弾を射出し続ける。ディサは、反撃する隙すらも与えられず、当たったら即・分解されかねない弾の雨の中を必死に逃げるのみ。時折かすめる弾により、自慢の特別装飾が施された鎧が徐々に変形し、溶けていく。 フィールド上は地獄絵図だった。厳かな雰囲気を醸し出していた柱や台座は粉々に粉砕され、ダミ−とはいえきらびやかな財宝の入っていた宝箱はあとたかもなく消滅。 「どこだ、どこへ逃げた!! 出てこい!!!」 粉塵でフィールドが煙る中でも、イオは乱射を止めようとしない。 『やむを得ん・・・ディサ、アーマー解除! 軽装モードにて待避せよ!』 サイトウが叫ぶ。ディサは鎧を捨て、粉塵に紛れイオの背後になるような立ち位置を探る。やがて、イオのLC3が限界を超え、アラートがなると同時に銃口が溶解。続いてHEMLも銃身が真っ赤になり、射出不能となった。 「ちっ・・・軟弱な機材だぜっ!! ・・・ん?やつはどこへ行った?」 蹴り飛ばすように両の手の得物を捨て、ディサを探す。・・・すでにその時、ディサはイオの真後ろに飛び上がれる位置へと移動していたのだ。 『今だ、行けっ!!!』 タイミングを伺っていたサイトウに命令を受けたディサは、飛び上がり掘り出したパイルバンカーを構え、イオの真後ろに狙いを定めた。 (取った!!!) そうディサが思った瞬間だった。 「ふん、後ろか・・・」 イオは呟くと、翼の角度を調整し、推進器の噴射口がディサへ向くように、瞬時に調整。あれだけ乱射をしながらも、各種センサー類はしっかりと機能させていた。 「Good-Bye,Baby-Girl.」 迫るディサを横目でちらりと見ると、悪魔のような笑みを浮かべて推進器をフルパワーに。 「ぁ・・・うわあぁぁあああああ!!!」 推進器からの猛烈な熱風の直撃を受けるディサ。重量のあるパイルバンカーを抱えて飛び上がっていたこともあり、バランスを崩して背中から落下。 「がはっ!」 鎧を着けていなかったこともあろうか、しばらく動くことすら出来なかった。 ディサがようやく体を起こすと、イオが静かに目前に降り立った。 「まだだ、まだだぁっ!」 ディサはまだ地に足を着けていないイオめがけ、自慢の俊足を活かし、大柄な太刀を振り上げ斬りかかった。かえでの猫子・ティナの腕を斬り落とした、あの太刀だ。。。 フィールドの脇では、その光景にギャラリーモニターを見ていたかえでが思わず叫んでいた。 「イオ、逃げてー!!!」 あの日の記憶がよみがえったのか、ティナは顔を伏せ、かえでの服をぎゅっと掴んでいる・・・ キィン! 金属と、別の物質が当たる音が、フィールドの外までも聞こえてきた。 「何ぃっ?!」 「・・・甘ぇんだよ・・・。」 太刀は、イオに届いていなかった。イオが手にしていたのは、なんと酒瓶! 銘柄は地元の酒造メーカー「澤野伊」生一本。イオの大好きな逸品である。 イオはその酒瓶を軽々と振り回し、太刀VS酒瓶という、異色のチャンバラを演じる。やがてダメージがボディーブローのように効果を示し、さらにイオの気迫に圧倒されたディサは徐々に押され気味となり、 ・・・ざくっ 太刀がはじき飛ばされ、天井に突き刺さった。 得物をすべて失い、にじり寄るイオに対し何も出来ない・・・ 腰の力が抜け、へたり込むディサ。 「てめぇがあたしに『在庫』っていう筋合いは無いんだよ! あぁん?」 手にした酒を含みながら、ティナの目前に立つイオ。 「わかったか・・・ わかったら返事しろっ!!!」 「は、はいぃっ!!! 申し訳ありませんでしたっ!!!」 頭を地面にゴリゴリこすりつけて土下座をする。 「おぅ、そういやお前・・・ ティナって猫子の事、覚えているな?」 恐怖に歪んだ顔を持ち上げ、イオを見上げつつ首を縦に振るディサ。 「あいつがどれほどの恐怖を味わったか・・・てめぇにはわかるか?」 酒瓶に口を付け、ぐっと一口含んで栓をすると、左手で瓶をポンポンと叩く。 「まぁ、分からなくてもいい。 今ここで分からせるだけだからなっ!!」 と、手にした酒瓶を振り上げるイオ。ディサの目に、今まで一度も浮かべたことの無かった涙がわき上がった。 ・・・ディサに、戦意はかけらも無くなっていた。 もう、これ以上はなんになるの? なんでそこまでするの? お願い・・・ 助けてっ!! 頭が砕かれるっ!!! ・・・が、いつまでも衝撃は来なかった。 「・・・少しは分かったか、やられる側の気持ちが。」 酒瓶は、ディサの頭上スレスレで止まっていた。 「あ・・・・・・ わ、分かりましたああぁっ!!!」 「よーし、それでいい。」 再び、地面にゴリゴリと頭をこすりつけて土下座のディサ。イオはその様子をジャッジマシンにアピールする。 「ディサ、戦意喪失により戦闘続行不能。勝者、アーンヴァル・イオ!!!」 判定が下され、試合終了。 わぁっ! とギャラリーが盛り上がる。 その声に、ふっと我に帰ったイオ。瓦礫の中でキョロキョロと廻りを見渡すと、 「あら・・・やだ、私ってば・・・またやっちゃったの・・・? えっ・・・皆さん見ていました? いやー! 恥ずかしい。。。」 いつもの調子でクネクネ恥ずかしがる。 そのあまりのギャップに、モニターをみていたギャラリーも一斉に固まってしまう。 もちろんかえでとティナも、目を丸くして茫然と見る事しかできなかった。。。 「まるで普段は優等生ぶってる『レディース』の頭のだな、おい・・・。」 その姿に、久遠はちょっと恐怖心を抱いていた。それは、神姫たちも同様であった。ぼそり呟くリゼ。 「なぁ・・・イオには・・・逆らわないようにしような・・・。」 エルガとシンメイも、その一言に強く首を縦に振るのであった。 ・・・>続くっ!>・・・ <その11 へ戻る< >その13 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その36 日付も変わった深夜。 久遠は、自宅から少しはなれたところでバイクのエンジンを切り、押して駐車場へ。静かにバイクを止め、階段をコソコソと昇り、そっと鍵を開けて部屋に入る。 「ただいまー。」 小さく呟くながらキッチンの明かりだけをつけ、ホッと一息をつく。すでに夕食はコンビニで済ませている。 歯を磨きながらシャワーを浴び、着替えを済ませて静かに自室へと入った。 薄暗い部屋の中、それぞれにクレイドルをおいて眠る神姫たち。イオは机の上で標準型に腰掛けて。リゼは和壱型で布団を蹴飛ばし大の字になり、エルガはぬくぬくこたつから頭だけを出して。 だがー。 シンメイが、いない。いつもはこの辺で寝ているはずなのに・・・。 久遠は音を立てぬように、シンメイを捜索する・・・と。 「なんだ、こんなところにいたのか。」 積み上げられた本の陰で、丸くなっていたシンメイを見つけた。 純正を改造して作ったバケットシート型のクレイドルからも外れ、本とDVDの隙間に入り込むような形で・・・。 「ちゃんとクレイドルで寝ないと、バッテリー切れ起こすぞ。」 そっとつついて起こす・・・と。 「くぅん。。。 ママぁ。。。」 か細い声と共にもそり身体を起こしたシンメイは、潤んだ瞳で久遠を見つめた。 また寝ぼけてるな・・・そう思いながら手のひらを差し出すと・・・何だか様子が違う。 手のひらのニオイを嗅ぐ仕草を見せ、ちょこんと座ると、 「ママじゃないよぉ・・・ママは・・・どこ?」 と、指をしゃぶりながらじっと見つめ続ける。 「えええ!?」 手の上でごろり横になって再び小さく丸くなる。 「ママはどこ? ねぇ、おにいちゃん。」 「い、今はでかけているから・・・しばらくここで休んでいたらどうだい?」 うろたえながらも、久遠が頭を撫でながら言うと、小さく頷いた。 はてさて、どうしたらいいものか。 台所で、コーヒー片手に考える久遠。 左手にはエルガのようにじゃれついてくるシンメイが乗っている。 すでに2時半を過ぎた時刻を指す時計のコチコチという作動音に、時折ちゅっちゅっと、シンメイが指をしゃぶる音が混じる。 何かに怯えるような瞳で不意に見つめるが、そっと頭を撫でてやると・・・緊張が解けるかのように、シンメイの脚の力が抜けるのが久遠の手のひらに伝わる・・・。 こんなことは、今までになかった。 故に、対処方法がわからない。 右手で携帯を駆使して調べるものの、スッキリとした回答が得られない。 傍らに置いた3杯目のコーヒーがすっかり冷めたとき。 「あ、マスターでしたか。」 ふと、足元からの声。 イオが起きてきた。 「物音がしたので気になって来たのですが・・・あら? シンメイ。」 久遠の左手に乗るシンメイに気づいたイオは、もそもそと足をよじ登ってテーブルの上へ。 「こんな夜更けに、何をしているんですか?」 イオが、相変わらず指をしゃぶるシンメイにそっと声を掛けた。 「あ。ママ・・・!」 顔を上げたシンメイがとった行動は、久遠も、イオも、想像もしていなかったことだった。 「ちょ、ちょっとどうしたんですか一体! こらシンメイ!」 ぽふ。 イオの胸に、顔をうずめるシンメイ。 赤子が母親の匂いを確かめるかのようにぎゅっと顔を胸に当てて・・・心底安心したような穏やかな笑顔を浮かべた。 「おかえりなさい、ママ・・・。」 ぎゅっと抱きつくシンメイに、イオもまた困惑した表情を浮かべ、久遠を見つめた。 久遠は、これまでの経緯を -といっても、様子がおかしいというだけのレベルではあるが- イオに伝えた。 すると。 何かを思いだしたのだろうか、久遠からシンメイの笑顔に視線を移したイオの表情が一転、まさに母親のような穏やかな顔付きで、シンメイの頭をそっと抱いた。 「寂しかったのね・・・。でも、もう大丈夫。今夜は、ママがずっと一緒にいてあげますよ。」 こくり。イオの腕の中で頷いたシンメイ。 そして、決して上手いとは言えないイオの子守歌が静かに響いた。 >>続くよっ!!!>> >>その37 へ・・・ <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫・各種設定-2 ちっちゃいもの研の中の人たち。 登場人物 ちっちゃい物研とは 主要技術解説 登場人物 Dr.CTa(木野羽さんご) ちっちゃい物研(下記参照)の研究員 沙羅・ヴェルナのマスター、久遠とは大学の同期(腐れ縁) メカを大事にしない者は大嫌い 愛車は1400ccの国産大型4気筒バイク、ヨツワは無し 沙羅(Sala)(紅緒・改) 好き:青空、白桃缶詰 嫌い:雨(過去の記憶) 属性:熱血 ヴェルナ(velna)(サイフォス・改) 好き:こたつ、みかん 嫌い:孤独(過去の記憶) 属性:頭脳派 アルテミス(Artemis)(ゼルノグラード) 好き:お絵かき(同人誌描き)・模型組み立て(フィギュア) 嫌い:締切を破ること・美しくない造形 属性:腐女子 Mk-Z(水間崎(みまさき)) ちっちゃい物研(下記参照)の研究員 マーヤのマスター(おにいさま) CTaの一番弟子・久遠の高校の後輩 容赦なくCTaに偽名を付与された、お人好し メカを大事にしない者は逝ってよし マーヤ(Maaya)(ツガル) 好き:おにーさま(Mk-Z) 嫌い:納豆(ネバネバするもの) 属性:超絶妹 リーヤ(Lilja)(ジルダリア) 好き:酒 嫌い:乾燥 属性:イケイケ サーヤ(Sarya)(ジュビジー) 好き:マーヤ 嫌い:暑さ 属性:妄想暴走系 係長(Subsection Chief) ちっちゃい物研(下記参照)の開発部係長。 華麗なる独身貴族。ディーニャ(下記参照)の 開発担当のひとり。 酒と温泉があれば幸せ。 ディーニャ(D-Nya)(T-TAK) 「森に住む猫」をイメージし、東杜田技研にて試作された旅サポートMMS。 好き:酒 嫌い:たいくつ 属性:ワガママお嬢 ちっちゃい物研とは ちっちゃい物研とは通称名であり、正式には 「(株)東杜田技研・小型機械技術研究製作部」 という大変に長ったらしい名前。KHINIグループの研究開発部門 が子会社化された会社で、従業員は50人程度。 なので、正職員でも「ちっちゃいもの研」と、名刺に入れる者が いるほど。基本的には医療分野を始めとした各種マイクロマシン の研究を行っているが、片手間に汎用の小型ロボットの研究開発 や改造・修理も請け負っている。 ここで勤務する「Dr.CTa」は医療分野が主な研究分野であるが、 ちっちゃい物研でも指折りのロボット愛好家で、また改造、特に 補修技術に関しては相当の評価がある。(その方面での論文を出 した実績もある程。) ちなみに久遠は、医療分野での絡みから、CTaとの交流を持って いる。(もっとも、先の通りCTaとは大学が同期でもあるのだが。) 久遠の依頼で沙羅、ヴェルナの治療(修復)を行った。また久遠の 神姫達の定期健診も、久遠の「腐れ縁」という立場を利用しタダで させられているらしい。 そのかわり、久遠の神姫に「食物消化-エネルギー変換機構」を搭載 させ実験台としている模様。 主要技術解説 食事機能(久遠・Dr.CTa所有の神姫に搭載されている機能) 食事機能は、Dr.CTaが自らの技術に関する論文を書くために行って いる研究(実証実験)のひとつ。 Dr.CTaは「食事により全エネルギーを賄う」方向と人間(オーナー) との「コミュニケーション手段としての食事」と捉える方向の、二つ のテーマで「食事機能の開発研究」を進めている。 最終目標は上記の2テーマを統合・実用化することであるが、まずは それぞれを「実用」レベルへ持っていくことが目標とか。 ようやく実証実験できるまでこぎ着けたようで、体よく転がり込んだ 久遠の武装神姫、また自らの神姫を用いデータ収集している。 前者の「エネルギー重視型」はCTaの所有する沙羅・ヴェルナに搭載、 味覚センサー等は簡易的な物とされいる。従って、「味音痴の大飯 食らい」とでも言うべき性格である。そのかわり、クレイドルでの 休養(充電)は、データ等のバックアップする間のみ必要なレベルに まで達しているらしい。 いっぽう、久遠の神姫達には後者のコミュニケーション型が搭載され ている。特に味覚を始めとしたセンサー類が充実しており、それぞれ の神姫達に「嗜好」が生じている。しかし、エネルギーの変換効率は あまり向上しておらず、食べたものをエネルギーに変換が『出来る』 程度。当然、食事のみで全エネルギー(電力)を賄う事は出来ず、 クレイドルでの休養は、通常のモデル通り必須である。 <<トップ へ戻る<<